2010年07月02日

後遺障害醜状痕の男女差

仕事で顔に傷が残ったとき…労災保険では症状や程度に応じて障害等級を定めています。
その等級によって給付される金額が決められているのですが、実はこの外見(外貌)に影響する傷への補償額には男女差があります。

外貌とは頭部・顔面部・頸部の上肢及び下肢以外の日常露出している部分を言います。
著しい醜状とは、以下の症状が残った場合を言います。
 ●頭部… 手のひら大以上の瘢痕、欠損。
 ●顔面部…鶏卵大以上の瘢痕、5cm以上の線上痕、10円硬貨大の組織陥没。
 ●頸部… 手のひら大以上の瘢痕。

労災補償の障害等級について、同じ外見(外貌)に著しい醜状を残すものでも男女に違いがあります。
女性の外貌に著しい醜状をのこすもの…7級
→障害がなくなるまで毎年、事故前3ヶ月間の給付基礎日額の131日分を年金給付障害特別支給金159万円
男性の外貌に著しい醜状を残すもの…12等級
→給付基礎日額の156日分を一時給付及び障害特別支給金20万円

この5級の差は、給付基礎日額10,000円(月収30万円前後)の人だと男女の差があるだけ8年障害残存していたとすると、1,000万円以上もの差が出ることになります。これが、障害が残存する期間がもっと長いとその差は開く一方です。
この点が、年金で給付を受け取る場合と一時金払いとの大きな違いとなります。

「女性の方が外見に高い関心を持っているため、顔の傷による精神的苦痛の程度は大きい」との主張についても、性別によって大きな差が出るとはいえない。重い外見の障害補償だけに性差別が設けられていることは「著しく不合理だ」との指摘もあります。
posted by Chieko at 18:36| Comment(0) | TrackBack(0) | 傷害・労災
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。
この記事へのトラックバックURL
http://blog.sakura.ne.jp/tb/39405055
※ブログオーナーが承認したトラックバックのみ表示されます。

この記事へのトラックバック